のんびり、やさしく。

ヒーリングと物語とものつくり。

Entries

原子炉と愉快な仲間達の話 ~mixi:Yousefさんの日記から 2~

<前記事の続き>


さ、話を原子炉の方にシフトさせて行こう。



原子力発電所が最悪の場合は核爆発を起こすんじゃねえの?という不安を持っている人が意外と一杯いるっぽいから、絶対にそんな事が起こらない理由を説明させて貰うよ!

そもそもね。原子力爆弾というのはめっちゃハイテク技術の結晶でして。高い技術力がないと製造することすら出来ないのね。原発で使われるようなウランをちょっと集めた程度では絶対に起こらないんですよ。どのくらい難しいかは北朝鮮とかイランらへんの国がきっとよーく身に沁みて分かってるだろうね。

何でか説明させて頂きましょ。核分裂反応が一気に起きた時に出るとんでもない熱を、そのままぶつけるのが原子爆弾なのね。爆弾の中の核物質が内部で一気に核分裂反応を進めることで莫大なエネルギーを取り出す訳ですよ。

熱によって体積が一気に膨張する物理現象一般を指す言葉が「爆発」です。水の沸騰みたいなもんですよ。でもキッチンのコンロで鍋を使ってお湯を沸かしても、爆発することはないよね。カップ麺を作ろうとして水が爆発!なんてニュースは、多分誰も見た事がないはず。これはなんでかと言うと、沸騰が「ある特定の場所で」「同時に」起こらないからなんですね。

沸騰した鍋を覗き込むと、底の色々なところから泡が出てる訳ですよ。爆発ってのは、この泡が一か所からしか出てこない上、全ての泡が同時に発生する状況なんですよ。ちなみに水でその状況になるのは突沸と呼ばれていて、例えばキッチンで具沢山の味噌汁を一切かき混ぜずに強火で暖めると、具のせいで対流が起きず、一気に底部の水温が100度を超えて一気に沸騰して、結果派手にこぼれたりする訳ですよ。一人暮らしを始めて料理に目覚めたばかりの人は、結構やりがちだよね!でも、突沸を起こすには、そういう風に特定の条件のもとで水を沸かさなければならなくて、まず普段の生活では見る事なんてないんです。


超!身近なはずの水でも、突沸を起こすのって難しいんですよ。ましてや核爆発なんてのはもっともーっと、難しいんです。



ウラン君やプルトニウム君と言った核分裂しやすい原子を使っているとはいえ、大量の彼らを(原子ってのはめっちゃちっこいから、ウラン1gと言っても原子は莫大な数が詰まっております。一千万×一千万×一千万個、みたいな数)一か所で同時に核分裂させるのは、不可能に近いのね。少しでも時間差があるような反応をすると、それは最早爆発とは言えないんですよ。そもそも、原子爆弾に使われているウランと原子力発電に使われているウランでは濃度が全く違うから、どこでどう頑張っても核爆発は起きないし、起こしようがないんです。

しかし。百歩、いや千歩譲って、超高濃度プルトニウムが手元にあるとしましょうか。何故プルトニウムかというと、核爆発を起こすのがウランより楽だからです。しかし、それがそのまま核爆弾になるか?と聞かれたら、残念ながら答えはノーなんですね。こいつを爆発的に反応させるには、爆縮させて反応を無理やり一度に進めなければいけないんです。でっかいマシュマロを掌に持ってぎゅっと握ると、小さく縮んで手の中に納まるようになるよね?爆縮はこれをプルトニウムでやる訳です。

爆縮ってのは大まかに言うと、サッカーボールの中心にプルトニウムを置いて、ボールの各面に爆弾を貼り付けて、爆弾を同時に爆発させる事でぎゅっと一か所に縮める、という作業。爆縮レンズとかいうアレですよ。簡単に聞こえるかもしれないけど、プルトニウムって重金属なのね。鉄とか鉛とかの金属をぎゅっと小さくするのより、プルトニウムだとはるかに難しいんですよ。それが自然に出来ると思ったら大間違いだよ!!


まあ、そんなこんなで。誰かがとーっても異常な程頑張らない限り、核爆発は起きないのです。同時に原子力発電所がそのまま「核爆発」することは絶対にないと言い切れる訳です。別の要因で爆発が起きる事はあるけどね。水素が燃えたりとか。溶けた燃料棒が冷却水にダイブして水蒸気爆発とか。でもそれらは核爆発に比べたら全然放出エネルギーが大きくないから、数百キロの範囲で被害が云々・・・というのは、明らかにありえないよ、というお話。


続くよ!!



<出典:「原子炉と愉快な仲間達の話 ~前編~」2011.3.19 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1692309889&owner_id=187917>



続きだよ!



前編に書いた点を踏まえて貰った上で、次は3号炉で使われている燃料について。



3号炉ではプルサーマル燃料という物が使われています。これは元々燃料としてウラン君ばっかり使ってた所に、使用済みの燃料にちょいちょい混ざってるプルトニウム君を混ぜちゃえば、実はかなり良いんじゃね?と、偉い人が思いついて作り出した、ウランとプルトニウムの混ざった混合燃料なんですね。プルサーマル燃料を使うと、発電した後のウンコの量が格段に減ってトイレが楽になったり、元々異様に良かった発電効率が更に良くなったり、今までの発電機を改造せずに混合燃料が使えたりするんです。便利だね!それ以外にもメリットはあります。実は、ゴミであるプルトニウム君が沢山集まっちゃうと、日本みたいな技術力の高い国は原爆が作れるようになっちゃうんです。でもそれは怖い!って事で、日本はプルトニウムを出来るだけ持ちませんと公約してる訳です。その為に、プルサーマル燃料として本来はゴミであるプルトニウムを消費すると、公約を良い感じに守る事まで出来てお得な訳ですよ。

そもそも。原子炉でウランを使って発電すると、プルトニウムはどうしても発生しちゃう物なんです。だから、3号炉がメルトダウンしたらプルトニウムが撒き散らされて危ない!と叫ぶのは間違いです。どの炉にもプルトニウムは含まれてます。どうせそういう事を叫ぶなら、3号炉だけじゃなく他の炉も公平に見てあげてください。

さて、プルトニウムを燃料として使って、更に今回のような事故を起こしたときの問題点は何点かあります。元々ウラン君よりもプルトニウム君は半減期がずっと短いせいで、同じ量だとウランよりも遥かに放射能が強いという厄介な性質があります。更に燃料自体の融点が低くなり、熱くなりやすく、冷えにくく・・・といった混合燃料ならではの問題もあります。

融点が低い上に冷めにくいというのは本当に厄介で、それは即ち炉心融解を簡単に起こしてしまうという事に他なりません。しかもプルトニウムは崩壊する時にガスになる原子を出すので、炉内部の圧力を上げる事にも繋がり、炉が壊れたり爆発に繋がったり・・・という問題を引き起こしやすいです。ウランのみの燃料に比べて確かにメリットは大きいのですが、現在起きているような事故の際には、ちょっと困った事になりやすいんですね。作業員の方達が3号炉に放水等を繰り返している主な理由も、メルトダウンを起こしやすいからという理由があるからです。

放水なんて意味ねーだろ!と、思う方も多いと思います。しかし僕は全くそうは思っていません。燃料が高熱を発し、そしてその熱は炉の内部だけでなく、周囲、外部にも伝わっていきます。炉全体が高温になれば、故障や破損の原因に繋がります。炉の一部が破損してしまった際は、外にキセノンやクリプトンと言った希ガスだけでなく、セシウムやヨウ素等と言った問題児が撒き散らされます。こいつらは拡散しやすい上に人体に取り込まれる可能性があるので、非常に問題です。それを防ぐ為、燃料だけでなく、炉自体を少しでも冷やすしかないのです。まーさすがに、ヘリからの放水で同様の効果があったかどうかという点においてはとっても懐疑的ですけどもね。



んでは、そんな厄介な炉と燃料が問題を起こそうとしている福島原発の事故の酷さが、どうしてスリーマイルよりちょっと上で、チェルノブイリより遥かに下なのか、詳しく説明していきましょう。

炉心融解、所謂メルトダウンという現象がありまして。これは、本来は極端に高温にならないはずの核燃料が予想外の事態で高温になって、燃料自体のケースをその熱で溶かし、炉の中で溶けた燃料が水にトローリ・・・という現象です。この時、ケースが溶けて水と反応する為水素などのガスが発生して炉の内部の圧力を高めたり、溶けて落ちた核燃料が水に直撃して水蒸気爆発を起こしたり、冷却水中にセシウムやヨウ素等の危ない物質が溜まったり、水蒸気中には希ガスが溜まったりします。が、炉がその高まった圧力に耐えられる限り、外に出て行く物質はないので、環境被害は一切ありません。

ではスリーマイルを見てみましょう。スリーマイルの事故では、上記のメルトダウンに加え、弁が開いたまま戻らなくなるという事態になりました。つまり、水蒸気中に含まれる希ガス等が外に放出された訳ですね。希ガスは他の物質とは反応しないので、直接的な放射能被害以外は、実は特にありませんでした。もっと事態が深刻になる可能性があったのと、アメリカの原発トレンドに急ブレーキをかけたせいで凄く有名ですが、実は事故の規模自体はそこまで大きくありません。

お次は福島原発に注目してみましょう。スリーマイルと非常に似ているのですが、空焚き時間が長かったせいもあり、燃料が少量露出している可能性が高いと思われます。その為、上記のスリーマイルの被害に加え、核燃料であるウランやプルトニウムが崩壊して発生する、セシウムやヨウ素、テクネチウムと言った物質が外に出ただろうと考えられています。ただし、反応停止後に起きた事故なので、外に出た放射性物質はそこまで多くないと考えられてる上、もちろん核燃料そのものは外部に流失していません。

では、チェルノブイリ。こいつはスリーマイルや福島と全く違う構造の原発です。燃料棒は黒鉛で覆われていましたが、これは実質的には燃料棒の容器が無いのとほとんど同じでした。福島の原子炉では地震直後からメインの核分裂反応は止まっていましたが、チェルノブイリでは爆発の瞬間もずっと核分裂反応が進んでいたと考えられています。爆発と同時に燃料棒を覆っていた黒鉛にも引火しました。黒鉛は軽水炉で使われる水と違って放射能を帯びます。福島やスリーマイルでは水蒸気が出てもそこまで大きな問題にはなりませんでしたが、チェルノブイリでは「核燃料自体の飛散」+「放射能を高度に帯びた黒鉛の飛散」+「大規模な爆発」という、とんでもないコンボが決まった訳です。その結果は本当に悲惨な物になりました。


はっきり言わせて貰いますが、福島原発がチェルノブイリ級の事故を起こすことは、その仕組み上絶対に不可能です。考えられる中で最悪のケースである、6個の炉の核燃料が全て完全に溶け切った上に地面に落ちるという状況を考えたとしても、チェルノブイリの被害には遠く及びません。最悪の状況であっても、ウランのプルトニウムの飛散量はその重量から現実的に考ると極小と見られ、ヨウ素とセシウムに代表される人体に有害な放射性物質の拡散量が多少増えるだけとなります。




<楽天の文字数制限により続く。 出典:「原子炉と愉快な仲間達の話 ~後編~」2011.3.19 http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1692312043&owner_id=187917>



関連記事

Comment_form

Comment

ご案内

Moonlight

Counter

ブログ内検索

Calendar & Archives

09 | 2017/10 | 11
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

MONTHLY

Profile

さつきのひかり

Author:さつきのひかり
物語を書くこと、一斉ヒーリングをすること、それに太極拳とケルトハープが趣味♪
最近はワイヤーワークにもはまり中。

エンジェルリンクファシリテーター、
レインボー・エナジー・フレイム(REF)
ルシフェルの翼Calling You 開発者。
プロフィール詳細

コメントレスはできたりできなかったりで、のんびりですみません^^;
お手紙はこちらのフォームから。
土日はPCに触れないことが多いので、メールのお返事は平日になります。

携帯(ガラケー)版スマホ版



Twitter
Instagram

New entry

Twitter



Ranking

右サイドメニュー

QRコード

QR