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『汚穢と禁忌』 メアリ・ダグラス /思潮社

きっかけはこちらのツイートから、とても興味深い本を読みました。




タイトルに惹かれて調べたら近隣の図書館にあったので、取り寄せてもらって借りました。
ツイートだと新版のちくま文庫ですが、私が読んだのは古い思潮社版です。表紙が怖めで夫に不気味がられたw


汚穢と禁忌


著者のメアリ・ダグラスは、この「穢れ」に関する論文で、20世紀の文化人類学を代表する一人として数えられているのだそう… すいません物知らずで、この本が世界的名著だということも今調べるまで知りませんでした。
まあちゃんと読んだから良しとしよう。 ←


この本でまず目を惹くのは、何と言ってもこのフレーズでしょう。

絶対的汚物といったものはあり得ず、汚物とはそれを視る者の眼の中に存在するにすぎない。



聖なるものと汚穢とは、相対的なものであると彼女は言います。
そもそも「穢れ」とは、聖なるものと忌むべきものが分かれる前からそこにあるものであり、
聖なるもの(秩序、完全性)を護るための対照物として、あるいは「聖なるもの以外の曖昧なもの」を表現するために作りだされ、
特別な扱いを受けることによって、善きものを産むための偉大な能力たらしめるものである、と。

「穢れとは、絶対に唯一かつ孤絶した事象ではありえない」と彼女は言います。
そもそも秩序を秩序として際立たせ存続させるために穢れは必要とされたのであり、秩序が変われば、何を穢れとするかも変わるから。

たとえば靴そのものは汚くはないですが、食卓に載せたら汚いと感じますよね。
食べ物は汚くないですが、衣服になすりつけたら汚いと感じます。

「靴は足に履いて外を歩くもの」
「食べ物は口から食べるもの」

という、「秩序」の中にあるかぎりそれは<善きもの>ですが、いったんそこから出て食べ物を足で踏みつぶしたら<穢れ>なのです。

で、それは<穢れ>であるから、やってはいけない。
靴は足に履くもので、食卓に載せてはいけないし
食べ物は口に入れるもので、踏んではならないのです。

<穢れ>の概念をもってそれを避けることによって、「聖なるもの、秩序だった社会」は護られている。
穢れは秩序を護るために造られた、というゆえんです。
穢れは不要なものと思ってしまいがちですが、その概念があるからこそ、社会は円滑に進んでいたりもするのだ… というのが作者の論。


そして社会には、その穢れを寛容に、むしろ進んで受け入れるような場面もあります。

たとえば人身供儀。血の穢れの最たるものであるはずの殺人が、聖なる儀式として執り行われます。
神殺しの祭り。平素崇め敬ってきたはずの神を「殺し」、それを喜びをもって祝う……そして春がくる、というような。

これらは大がかりなものですが、もっと身近なところではたとえば、
雑草(不要な、忌むべきもの)を畑に鋤き込み、芝を刈って堆肥をつくる(特別な扱い)ことで、大地(聖なるもの)の実りがさらに豊かになる(善きこと)、
というようなことがあります。
ここでもし雑草をすべて抜き去ってしまえば、土地はどんどん痩せて実らなくなってしまいますね。


つまり、不要なもの・忌むべきもの……
光に照らされた秩序以外のすべての曖昧で雑多な部分を引き受ける汚穢は、聖なるものと合わさって原初の混沌に戻り、善きものを産み出す豊かなる母胎となるということ。


作者は中国の陰陽思想には言及していないのですが、めぐりめぐる陰と陽の感じが私はとても似ていると思いましたし
以前に書いた光と闇の考察にも繋がるかな、とw
闇が悪いものではないと言い続けている私には、とても腑に落ちる話でした。
今まで自分で感じてきたことの、しっかりした学問的な後ろ盾を得たというか。
聖なるものと汚穢、光と闇。 
互いに互いを必要としてきたんだよねっていうw

ダグラス女史はなかなか切れ味のいい口調でバッサバッサいくので(笑)、文化人類学方面にご興味のある方にはお勧めです。


そしてやっぱり、
「汚い」といって誰かを攻撃し見下す時、その汚物はその人の中にこそある …というのが刺さります←
というか、スピではよく言われていることですが、文化人類学的にも言われてたってことなのかな。
この場合は、「それを汚物と定義する秩序がその人の中にある」というような意味あいが強いのでしょうから
微妙~に意味は違うようなですが、結果は同じことな気もするしなあ… うーん、、深い…。








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NoTitle 

光と闇の考察に跳びまして、関連記事にも跳びまして、思わず読みふけってしまいました。
深い。面白い。量子論からの考察もある。(探してたのです)
さつきのさんの骨格ですね。。

本が、とても、面白そうです。。。(引力)
  • posted by うめたろう 
  • URL 
  • 2017.07/12 21:14分 
  • [編集]
  • [Res]

 

でも差別は絶対悪ですしゆるされるものではないと思います。
ただ神道の穢れ思想はとても嫌ですね。女性差別と外国人差別部落差別を扇動していますから相撲でも女性が土俵に上がれなかったり外国人差別が未だにされていますし本当にひどい。
  • posted by ごちぃ 
  • URL 
  • 2017.07/12 23:38分 
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  • [Res]

Re: NoTitle 

>うめたろうさん
面白かったですよー! お近くの図書館で探してみられるといいかもです。
他の考察まで読んでくださりありがとうございます…!
ほんと、光と闇の考察というか関わり?って、私の骨格なのかもしれません 笑



>ごちぃさん
差別は許されるものではありませんね。
神道の穢れ思想も、もともとは秩序を保つための方法でもあったのかなと思いますが
それを「やりすぎ」にしたり他者を貶めるために使うか、社会の衛生状態や人々が暮らしやすくするルールを守るために適度にうまく使いこなすか、は
時代によって揺らぎや変遷はあるとして
運用する人間のほうに責任があるのではないかなと思います。
  • posted by さつきのひかり 
  • URL 
  • 2017.07/15 17:00分 
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